エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「でも、最初は先生に生意気な態度を取っていました……」

先生にそこまで褒められるのは、かなり照れくさい。入院したばかりの頃を思い出して、余計におこがましい気持ちになってくる。

「仕方ないよ。それだけ、小松さんが頑張ってたってことだ」

先生はそう言いながら、駐車場へ出た。平面駐車場になっていて、車がひっきりなしに走っていく。

「先生、どこへ行かれるんですか?」

てっきり、モール内で食事をするのだと思っていたのに、どうやら車に向かっているみたい……。

「中華料理の店だよ。美味しいところを知ってるんだ」

「わざわざ、連れていってくださるんですか?」

「わざわざだなんて、俺は思ってない。きみに、美味しい中華をご馳走する」

微笑みながら言った先生に、私は嬉しくもあり、戸惑いもあった。

「ご馳走していただくのは、申し訳ないです。自分の分は払わせてください」

と言うと、先生は小さく首を横に振った。

「俺からの退院祝いだよ」
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