エリート外科医と過保護な蜜月ライフ
「でも……」

「いいから。気にするな」

そう言われてしまい、言葉に甘えることにする。先生の優しさが、心を温かくしてくれていた。

先生の車は、駐車場の一角に停めてある。彼の車を見た途端、思わず息を呑んだ。

先生の車は、セダン型のシルバーのボディ。それも、海外の高級車だった。

「さあ、乗って」

先生は助手席のドアを開けてくれ、私を促してくれる。

「ありがとうございます……」

ゆっくり乗り込むと、車内は品のある甘い香りがした。黒のレザーシートは、柔らかくて包み込まれるよう……。

運転席に乗った先生は、シートベルトを締めながら視線を向けた。

「そういえば、なにか買い物でもしてたのか?」

「えっ?」

先生の目線が、私が持っている紙袋に移っていき、ハッと思い出す。

「すみません、すっかり頭から抜けていました。これ……先生へのお土産です」

「俺に? ありがとう。開けていい?」

「はい」

喜んでもらえるといいけど……。今さら、手作りお菓子なんて、重かったかもしれないと後悔した。

先生は少し緊張している様子で、丁寧に袋に貼ってあるテープをはがす。そして中身を見て、控えめに微笑んだ。

「ありがとう……。カップケーキかな?」
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