続*もう一度君にキスしたかった
「どうぞ」
と朝比奈さんの声が聞こえて、まだ居てくれたことにほっとする。
失礼します、とコソコソ中に入れば、朝比奈さんが私を見て目を見開いた。
「吉住? どうかした?」
仕事モードの朝比奈さんに、個人的な衝動で会いに来てしまった自分が恥ずかしくなる。
情けなさにじわ、と汗を掻きながら俯いた。
「いえ、どう、ということは、ないんですけど」
しまった。
何か仕事用の話も考えてから来ればよかったと、焦れば焦るほど言葉が出ない。
そんな私の下向きの視界に、朝比奈さんの革靴が侵入した。
「真帆?」
名前で、呼んでくれた。
そのことに背中を押されて、ぱっと顔を上げる。