初恋~ある女の恋愛物語~
キスを辞めた馨さんは私をジッと見た

その目がとても痛く刺さった

今までにないほど、強い目力だった

馨さんは体制を直しまた私に腕枕をした

反対の手は私の腰に回された

馨さんの吐息が私の耳元に感じられる

『おやすみ』

馨さんの予想外の言葉だった

何もしないの?

正直、そう思った

私に魅力がなかった?

何でここまでして抱いてくれないの?

私は矛盾している

それでも、この状況はそう思うしかなかった

馨さんが寝息をたてていた

本当に眠ってしまったんだ

私みたいな女は抱きたくなかったのかな

私じゃ、遊び相手にもならなかったのかな

そんな事を考えながら私も眠りに落ちていた
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