初恋~ある女の恋愛物語~
『いいよ。私は二番目でも』

また自分の首を自分で締めていた

ふいに馨さんの顔が浮かんでくる

二股をかけられた女が二股をかける

最低な恋愛の形になっていく

どっちにしろ、私は本気で愛されているわけではない

彼女が居ない時だけの遊びの女

それを知っててもそれでもいいと言うバカな女

最低な女

自分からその肩書きを自分につけた

こんなのは恋とは呼べるはずもない

自分に少しでも好きという気持ちがあるだけで、それは恋になるのだけどそれを自分で否定しなきゃいけない

『私が他の誰かに抱かれても、正ちゃんは何も言わないでね。私に文句言える立場じゃないんだから』

強気に言った

正ちゃんは何の抵抗もなく了解した

むしろ、好都合だと思っていたのかもしれなかった

こうして私は正ちゃんの二番目の女になった

会わないで忘れようと頑張っても、結局正ちゃんの事を考えていた

それよりなら、近くに居て嫌いになれたら一番楽だと思った

逃げ場はなかった
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