釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~



だけど、彼に会いたいと思ってしまう。

もし、この片想いがもっと前から始まっていたら、私と彼の関係は少し変わっていたのかもしれない。

とか・・・


考えてしまう。

あり得ないと分かっていても、妄想してしまう。


だけど、実際、職種はどうであれ、彼に恋人がいないはずがない。

容姿共に性格良し。

彼の事をほとんど何も知らない私だけど、彼は本当に素敵な男性だ。


脳みその中を100%仕事で使っていなければ、もっと早くに彼の魅力に気づけてたはずだった。


でも

このタイミングで彼の魅力に気付いたということは、やっぱり・・・叶う事はない想いだということ。


・・・分かってる。

だけど、もう一度彼に会いたい。

それ以上は何も望まないから。

挨拶だけでもいいから

彼の声が聞きたい。

あの笑顔が見たい。


あの日から

響君で頭の中が一杯になっている。




午前8時、以前とは打って変わって、ゆっくり出勤した私のバッグの中には、企画部にいた時には一度も持ったことのない手づくりの弁当が入っている。

朝から時間に余裕がある。と、いうことは素晴らしい。

洗濯も掃除も、朝食さえゆっくり食べる時間があった。

今までの私には信じられない贅沢な時間の使いかただ。




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