釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~


「寝不足、上等よ。今回のプロジェクトではチームリーダーを任されてるの。

絶対に失敗なんかしないんだから」

不意打ちで触られても冷静に、勝ち気な笑顔を見せると、響君はいつも心配そうに「無理しすぎて倒れるなよ」と困ったように笑う。

「ありがとね。」

響君と知り合ってから1ヶ月。毎朝、こんな短い会話のやりとりをしてるうちに、この会社で唯一、私が愚痴をこぼせる相手なんだ。


お互い、職業と、下の名前しか知らない間柄だけど。

業務上の関係じゃないからこそ、気を許せるのかもしれない。



企画部と書かれたプレートのまだ誰もいないオフィス。

一人、黙々と仕事を進める。

チーム一丸となって、進めている企画。中間達が頑張ってくれてるのに、リーダーの私が頑張らないわけにはいかない。


今回、チームで作った企画は社長がとても感心してくれた。と、鼻高々の部長が年甲斐もなく私の肩を組んで喜んだのだ。


勤務歴9年。こんな風に評価されたのは初めてだった。




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