釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
閉じこめられてるなんて聞こえはまだ良いが、監禁されていることと同じじゃない・・・。
「私が響君と別れれば、響君は自由になれるということですか?」
「・・・少し正しいですが不正解ですね。
國一様に貴女の事が知られた時点でそのお考えは甘いのです。
貴女が会社を辞め、この街から去らない限り。」
「そこまでっ⁉」
思わず声を上げた私に、彼女は冷静に答える「響社長は神門の次期、跡継ぎです。
忠告を無視して響社長と関わってしまったがためですね。
神門にとって、響社長は個人ではないのです。
〃神門財閥の後継者〃という存在であることが、どれほどの事か、ご理解いただけますか?
もし、今回の私の話を受け入れていただけない場合に、國一様が次は何を貴女に仕掛けるか、私にも想像はできません。
貴女や貴女の〃家族〃を守るためでもあると思って下さいね」
緒方さんの言葉に背筋が凍りついた。
実の息子を監禁するくらいだ。
本当に・・・もしかしたら、私の家族に危害を加えられる可能性も無いわけではないんだ・・・。
凍りついたように硬直し、言葉を失った私を見て、彼女は運転席のドアを開け、中から一枚の紙切れを取りだし、私に差し出した。