社長は今日も私にだけ意地悪。
熱い眼差しで見つめられ、心臓がドクドクとうるさい。

私は……ずっと前から社長に〝特別〟だと思ってもらっていた。


「芽衣は、今は俺のことよりもRED searchの彼等のことで頭がいっぱいだと言っていたが、俺は初めて会った時から芽衣に夢中だった」

「本当ですか……?」

「本当だっつの。昼間社長室でそう言おうと思ったのに、お前が聞きたくないって言うから言えなかったんだよ。キスした時にお前が泣いていたのだって、単純に俺からのキスが嫌だったのだと思ったし。
……だからオフィスでも俺から芽衣に近付くことが出来なかった」

ギシ、とベッドを軋ませて、社長が私と距離を縮めてくる。
彼の顔が眼前に迫る。
まるでキスする寸前かのようなその距離に、遂に心臓が爆発してしまいそうだ。


「だけど、誤解のせいで擦れ違っていただけなら、もう遠慮せずに迫っていいんだな?」

「社、長……でも……」

「ああ。芽衣は今、RED searchで頭いっぱいだったな。でも、俺はそれでも構わない。芽衣が手に入るなら」

大好きな人に、そんな熱い想いをぶつけられたら……もう、逃れることなんて出来ない。


「……好きです。社長が、大好きです」


私の言葉を聞いて、彼は笑う。
いつもの意地悪な笑みかと思いきや……


「芽衣がやっと俺のものになった。嬉しい」


と、子供みたいに無邪気に笑う。

その笑顔にも、胸がきゅんと疼く。
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