社長は今日も私にだけ意地悪。
「あれ、君はーー」
にこっと温かくて優しい笑みを浮かべてそう返す社長は、スターエモーション本社の代表取締役社長CEOの息子で、確かまだ二十九歳。とても甘いルックスの持ち主だ。
うちの会社では数々の芸能タレントを所属させているけれど、社長本人が芸能人顔負けのルックス、そしてオーラを纏っている。
荷物を拾い上げながら立ち上がり、同じタイミングで腰を上げた社長に、私は拾った書類を手渡した。そして。
「今日からスターエモーション・マネジメントで働くことになります、柳葉 芽衣(やなぎば めい)です。よろしくお願いします!」
そう言って深々と頭を下げる私。
顔を上げると、社長が柔らかく笑いながら「うん。最終面談の時に会ったね」と言ってくれた。
「え、私のこと覚えてくれていたんですか?」
「勿論。今日から頑張ってね」
うわぁ……優しい言葉。本社の社長の息子とはいえ、この大手グループの関連会社の社長という重大な立場を任せられている存在だーー実は傲慢で強引な人かもしれないと思っていたのに、良い意味で全然イメージと違う。
「では、失礼します」
早く二階に行かなければと思い、社長に一礼をしてから彼を横切ると、数歩進んだところで「柳葉さん」と後ろから社長に名前を呼ばれる。
思わず「えっ?」と口にしながら、足を止めて振り返ると。
「以前、俺と会ったこと覚えてる?」
ーーえ?
にこっと温かくて優しい笑みを浮かべてそう返す社長は、スターエモーション本社の代表取締役社長CEOの息子で、確かまだ二十九歳。とても甘いルックスの持ち主だ。
うちの会社では数々の芸能タレントを所属させているけれど、社長本人が芸能人顔負けのルックス、そしてオーラを纏っている。
荷物を拾い上げながら立ち上がり、同じタイミングで腰を上げた社長に、私は拾った書類を手渡した。そして。
「今日からスターエモーション・マネジメントで働くことになります、柳葉 芽衣(やなぎば めい)です。よろしくお願いします!」
そう言って深々と頭を下げる私。
顔を上げると、社長が柔らかく笑いながら「うん。最終面談の時に会ったね」と言ってくれた。
「え、私のこと覚えてくれていたんですか?」
「勿論。今日から頑張ってね」
うわぁ……優しい言葉。本社の社長の息子とはいえ、この大手グループの関連会社の社長という重大な立場を任せられている存在だーー実は傲慢で強引な人かもしれないと思っていたのに、良い意味で全然イメージと違う。
「では、失礼します」
早く二階に行かなければと思い、社長に一礼をしてから彼を横切ると、数歩進んだところで「柳葉さん」と後ろから社長に名前を呼ばれる。
思わず「えっ?」と口にしながら、足を止めて振り返ると。
「以前、俺と会ったこと覚えてる?」
ーーえ?