キミはずっと、かけがえない人
7th*ほろ苦い愛



美月の目が思いっきり見開かれている。

そして、口があんぐり開いている。

子供たちは、見たことない人がいて不思議そうにしている。



「こんにちは」



こないだの神妙な表情はどこへ行った?

いつも通りのさわやかさでにっこり笑っている。



「あっ、こんにちは」



慌てて美月も挨拶を返す。

たぶん、美月の頭の中は混乱していると思う。



「じゃあ亜依、また帰りに連絡して」

「うん、分かった」



そう言って、笑顔で彼は去って行く。


あれから一週間、神妙な面持ちはあの時以来ない。

至って、いつも通りだ。

昨日だって、今日美月と逢うから早く寝たかったのに、結局日付が変わってから寝ることとなった。

今朝も、ベッドの中でヤることはなかったけど、なかなか離してもらえなかった。




< 103 / 210 >

この作品をシェア

pagetop