キミはずっと、かけがえない人
結婚なんてしないから、そんなのは必要ない。
そう言っているのに、この人は聞かない。
世の中の全てが自分の思い通りに動くと思っているのだろうか。
そんな訳がないのに。
少なくとも、私は思い通りには動かない。
言いなりにもならない。
だけど、これ以上話したところで何も変わらないだろう。
強引に進めてくるに違いない。
そう思った私は、席を立つ。
「これ以上話していても時間の無駄ですので、帰ります」
「1人で帰るのかね?」
「お金とスマホがあれば、どうとでもなるので」
それだけ言って、私はその場を離れた。
会長とやらが言っていることを考えれば、両親はあの場を離れられないのだろう。
私は、そんな中にはいたくない。
誰かに強要されるのも嫌だ。
幸い、私が逆らったところで、両親に被害はない。
母親は2年前に仕事を辞めているし、父親は今年定年を迎えた。
だから、さっきみたいな脅しは通用しない。