キミはずっと、かけがえない人



「気持ちがなければ、告白したところでばっさり切られると思った。見合いの時みたいに。
だったら、少し強行策に出ようかなって」

「強行策って……一緒に住むって決めたの、じいさまじゃないの?」


「悪いな。実は、俺の案。反対されるかと思ったけど、じいさんが乗ってきた。家を決めたのと、見合いはじいさんだけど」

「何で一緒に住むなんて……。無謀でしょ」

「無謀ではないな。亜依のことを考えれば、時間が経てば落ちると思ってたし」

「単純だって言いたいの?」

「イヤ、それだけ自信があったってこと。嫌いで別れた訳じゃないし、心の奥底をつつけば上がってくるかなって」



そんな自信満々に言わなくても……。

結局、思い通りになってしまったんだから、反論は出来ないけど。



「現に今、俺のこと好きだよな?」

「……えっ?」



自信満々に、にっこり笑って言われるものだから、私の方が焦ってしまう。




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