キミはずっと、かけがえない人



……ないな。

もっと美人ごいいだろうし、可愛い子が、スタイルがいい子がいいだろう。

私には、可愛いげのカケラもないのだから。



「とりあえず放して。起きたい。お腹もすいたし」

「あ、今日からは亜依が作ってな」

「……は?」

「もう作ってないから。材料はあるし」



にっこり笑って言われるけど、言うのが急すぎる。

材料がある、ないの問題でもない。



「……朝はパン?ご飯?」

「パン。だから、ラクでいいでしょ?」



だから、そういう問題でもない。

呆れながらも、ベッドを出てキッチンへ向かう。

確かに、材料は豊富にある。

パンだけでも、何種類もある。

こんなにいらなくない?

たった2人なのに、量が半端じゃない。

それとも彼は、そんなに大食いなのだろうか。




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