キミはずっと、かけがえない人
とりあえず、ポットで湯を沸かす。
あ、コーヒー飲めたっけ?
だけど、インスタントに豆に普通にあるから飲めるんだろうな。
飲み物もコーヒーだけじゃなく、紅茶にお茶にジュースまである。
わお、お酒がいっぱい。
何でこんなに常備してあるんだ。
どこからこんなお金が……。
「全部、じいさんの仕業」
冷蔵庫の中を眺める私に向かって、彼が言う。
お湯が沸いていたみたいで、自分でコーヒーを入れていた。
「あ、ごめん」
「これぐらいはする。だけど、料理は出来ないから」
「私だって、そんなに凝ったものは出来ないよ」
「普通でいいって」
「野菜とかいっぱい入っているけど、使えるか分かんないし。調べなきゃダメだわ」
「じいさんが好き勝手入れてるからな。お酒なんて、楽しんで選んでいたし」
「アンタのじいさま、本当に何者?」
「だから、湖陵の会長だって」
「イヤ……」