キミはずっと、かけがえない人



「え?……そ、そんな訳ないじゃない。あの方が決めるなら、もっとちゃんとした人を選ぶわ」

「そう言われても困ります。文句は、会長かアイツ本人にして下さい。
そもそも、何で私を知っているんですか?」



会社でのアイツの立ち位置は知らない。

でも、正式に婚約している訳でも、結婚している訳でもない。

だから、私の存在は公にしている訳ではないと思う。

公にすれば、それこそ世間が黙っていないだろう。



「父に聞いたのよ。社長がそんなことを言ってたってね」



どこまで話していたのか知らないけど、それって個人情報の漏洩じゃないだろうか。

社長は、叔父さんだったっけ?

何気なく話したんだろうけど、こうやって第三者に話す人もいるんだ。



「とにかく、当事者に確認してからにして下さい。それに、仕事中に会社まで乗り込んで来るやり方はよくないと思いますが」

「何言っているのよ。これは、仕事より大切なことよ?」

「はぁ?」




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