キミはずっと、かけがえない人



自分が働いているとこの上司じゃないんだし。

それに、たかだか秘書なだけ。

なんの権限もないじゃん。



「あっ!思い出したっ」



今まで黙っていた青山さんが、急に大きな声を出した。



「どうした?」

「あの人、どっかで見たことあるなって、ずっと思ってたんだ」



あの人って、さっきの彼女のことかな。

知り合い?

年は近そうだけど。



「青ちゃん、さっきの美人と知り合い?」

「さっきの?あ、違う、違う。川崎さんと一緒にいた男の人のこと」

「えっ?私?」



急に、なんのことを言っているのだろう。



「川崎さんが親戚だって言っていた男の人、湖陵コーポレーションの会長の孫ですよね?」

「……えーっ⁉」



私の驚く声が、周りの驚く声にかき消された。




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