キミはずっと、かけがえない人
またって何だ、またって。
だけど、心配かけるのも嫌だから首を振る。
「言っただろ。亜依は、堂々と俺の隣にいればいいんだから」
それには、簡単に頷くことは出来ないけど。
とにかく、今はコレでいいや。
誰に何を言われようと、私はここにいろと言われるんだから。
モヤモヤする心を振り払って、勢いよく歩き出す。
「あっち行こう」
繋がれたままの手を引き、彼を促す。
少し驚いたような表情をしたけど、すぐに笑う。
「どうせだったら、指輪でも買う?」
「……調子に乗るな」
「何だ。残念」
そう言いつつも笑っているんだから、どこまで本気か分かったものじゃない。
だから、私も本気にしない。