キミはずっと、かけがえない人
常識が通用するような感じではない。
それはもう、じいさまと一緒だ。
悩むだけ損なのかもしれない。
もちろん結婚は流されるままにしないけど、この状況から逃げられないのなら受け入れるしかない。
ただ、周りにバレるのは避けたいけど。
「まぁ、いいや。考えるのがめんどくさくなった」
「何だ、それ」
「とりあえず、ここまで来たんだから買い物したい」
「そうこないと。どこから行く?」
本当に、笑顔で楽しそうに言う。
だけど、手は繋がなくていいのだけど。
以前は、こんなに堂々としていなかったのに。
やっぱり、14年も経てば変わるものだな。
それが女にフラフラしていたせいかと思うと、少しモヤモヤする。
「亜依?」
下を向いて考え込んだ私を、覗き込むようにして呼ぶ。
「また、余計なこと考えてる?」