キミはずっと、かけがえない人



「そもそも、簡単に怒る人ではないし、怒る時にはそれなりの理由がある。それをみんなが分かっているから。辞めさせられるのは仕方ないって」



なんだかんだ言っても、あのじいさまは凄いんだ。

でも、そうじゃないとあの会社を仕切ることは出来ないだろうな。



「今回はでしゃばり過ぎたんだ。勝手に結婚相手とか言って。父親も一緒になって言ってたみたいだし。じいさんがそんなの許す訳ないから。
だいたい、本人にもそれなりに能力がないと認めない」



確かに、じいさまはそんなこと言ってたな。

いくら両親が優秀でも、本人がしっかりしていないと意味はないらしい。

じいさま的には、一緒に働くのが理想だったな。

そこから考えると、あの子は能力がなかったということか。

その上怒らせたというから、駄々こねたとか?

でもまぁ、父親も一緒になって言っていたというなら、同情は出来ないな。



「まぁ、今のじいさんに亜依以外の選択肢はない。外野から出てきたところで、怒らせるだけだ」




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