キミはずっと、かけがえない人



「来週の土曜、美月と逢うから。昼前に出て、夕方帰る」

「夜は?」

「夜はこっちで食べるけど」

「じゃあ、送るよ。それで、帰りになんか食べて帰ろう」

「え?送るの?」

「送るよ。どうせ、美月って子には俺のこと話すんだろ?だったら、行っても問題はないと思うけど」



確かに話しますが、だからって問題ない訳じゃないと思うけど。

でも、そう言ったところで彼は押し通すだろう。

仕方ない。

相手は美月だし。

包み隠さず話す相手だからいいか。



「じゃあ、お願いします」

「了解しました」

「えっ?な、なにして……っ」



彼が返事をしたとたん、首筋にちくりと痛みが走った。

後ろからだから、彼が何をしているのか分からない。



「ん?マーキング」

「は?何でそんなもんつけるのっ」

「男避け」




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