キミはずっと、かけがえない人
「は?イヤ、入りませんって」
「佑哉にも、少しずつ社長としてやってもらわねばならん。だから、再来月の総会で湖陵の名を解き、副社長に任命する」
「分かりました」
「亜依さんもそれと同時に……は、契約があるから難しいだろう。次の更新をしないで、湖陵に入って佑哉の秘書をしてもらいたい」
「嫌です。だいたい、資格は取りましたが、実績はありません」
「そんなのなくてもいい。うちに入って、教えるヤツはいるから」
そりゃそうでしょうけど、そういう問題でもないです。
何で、婚約するからって湖陵に入らないといけないの。
イヤ、婚約もしないんですけど。
「出来たら、総会の時に2人の婚約も発表したいんだがな」
「は?だから、しませんって」
「……佑哉、振られてるぞ」
「大丈夫。ベッドの中では言うこときかせてるから」
「ほぉー」
「ちょっと、そんなこと言わなくていいってっ」
変なことまで言われるから、顔が赤くなってしまう。