桜の季節
くぅーん、くぅーん、くぅーん

俺はその鳴き声を聞いて
ふと携帯から目をそらした

くぅーん、くぅーん、くぅーん
いてもたってもいられず
その中をのぞいた。

小さいそのダンボールの中には
ギュウギュウになってて身動きが取れない
子犬が入っていた。
その数何と5匹。

とりあえず、ここだと保健所の人に見つかったら大変だ。
ダンボールをもって桜の木の近くの
建物と建物の人1人通れるかくらいの細いスペースに移動した。

次の日の朝餌が置かれていたからラッキーと思ってその犬達に上げた

しかしまだ小さ過ぎて食べれなかったようなので袋に移して俺はちかくのスーパーで犬用のミルクを買った。

戻ってきて犬達にそのミルクをやると
物凄い勢いで飲んでいた
こいつら、いつから餌もらってなかったんだろう。
そう思うと悲しくなった

見つかりませんように
そうお願いしてその日は帰った

「あなたはここにいた5匹のワンちゃんをしっていますか?」

そう書かれた紙が次の日の朝餌と一緒に置かれていた。

「はい。しっています。あなたが餌を置いてくれたのですか?」

「そうです。そのワンちゃん達は元気ですか?」

俺は紙とペンを出そうとリュックを開けたときカサカサ
持っていた袋が音を鳴らした。

すこししたあと
あの…?

声をかけられたことに保健所の人から見つかったんじゃないかとおもってはっとした。

それが俺とお前の出会いだったよな。
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