彼と愛のレベル上げ

～～～♪

ご飯を食べていると、聞こえてきたのは主任専用の着信音。

急いで携帯を取りに行く。


「もしもしっ」

『モモ、そんなに慌てなくても……』


いや、だって切れちゃうかもしれないし。そしたら次いつ繋がるかわかんないし。


「お仕事、終わったんですか？」

『いえ、今少し休憩を』


やっぱりまだ仕事中だったんだ。


「あの、なんかありました？」

『モモの声が聞きたくなっただけです』


私もだけど。
素直に声が聞きたいと言ってしまったら、そのあとすぐに会いたくなる。

主任と会う回数が増えるほど、帰ってから会いたくなるまでの時間がどんどん短くなる。


「休憩中なのに、そんな事言ってても大丈夫なんですか？」

『別に、誰も居ませんし。聞かれても困る様な事は言ってません』


主任は、指輪を見て聞いてきた人に恋人がいると言っているらしい。
おかげで彼女もちだという噂は広まっているみたいなんだけど

きっとそれでもいいって人はいるんだろうなぁ。


「あ、あのっ金曜日遅い時間ですけど、そちらに行けそうです」

『なるべく迎えに行けるように調整します』

「いえ、大丈夫ですからっ…あの、鍵もありますし」


おいしいものを作って待っている事は出来ないけれど、お部屋を暖かくしておくことぐらいはできる。それに


『モモにおかえりなさいって生でいってもらうのもいいかもしれませんね？』


そう。主任におかえりなさいって言ってあげたい。
そしておつかれさまって。

それで主任の事を少しでも癒せるのであれば、そんな素敵な事はない。


「はいっそんなことでよければいつでも」

『では、楽しみにしています。そろそろ仕事に戻ります』

「あ、はい」

『それでは』


あと二日頑張れば主任に会える。





電話を切ってから、ふと考える。

今日料理教室へ行けなかったけど、潤兄に言ってない。

でも、特に連絡もなかったしきっと潤兄もこなかったってことだよね？


連絡がないから大丈夫だったんだろうと安易に考え、私はそのまま潤兄にも連絡する事はしなかった