彼と愛のレベル上げ
食事を終えて帰る時に朔也さんが来てくれて、アヤノさんのメアドと番号を書いた紙を渡してくれた。

そこには綺麗な文字が並んでいた。


「あとで空メールでも送ってあげて」

「了解」

「空メールなんてもったいないことしませんっ」

「ハハ、そうなんだ。それじゃあよろしくね、桃華ちゃん」


柔らかい笑みでそう言った朔也さん。

なんかアヤノさんの話しだと雰囲気がこんなにも変わるんだ。


「じゃ、また来月」

「おや、もう次のくる日の話?」

「いいだろ?別に」


やっぱりこの二人のやり取りってじゃれてるみたいな感じで子供みたい。

主任も、朔也さんの前だとこんな風にちょっと乱暴な感じでしゃべるけどそれを見てるのはすごく好き。


「いいけどね、うちは。いつでも」


だって、乱暴な感じに言えるのも二人の信頼関係があるからだってわかるから。

あぁ私も、朔也さんにお礼言わなきゃ。


「あの、ごちそうさまでした。今日もすごくおいしかったです。それにあのデザート私にも作れそうですかね?」


おいしかったお礼と焼き菓子ではないデザートがもしかしたら私にも作れるかもとか思ってうっかり聞いてしまった。

作るなんてワードは私の口から今まで一度も出した事がない。

料理教室のことも内緒だし、お菓子を作っていることだって主任は知らない。


「あぁ、そうだね?けっこう簡単かも」


朔也さんもちょっと困った顔をしたけどなんとかごまかしてくれたみたいだった。

ほんと、私ったら思いっきり油断してた。


「いえ、なんかおいしかったので…」


これ以上口にすればまた墓穴を掘ってしまいそうで、言葉が続かない。

するとすぐ後ろで主任が、


「モモ、そろそろ帰りますよ?」

「あ、はい。ではおやすみなさい」


なんか、助かった。

あれ以上続けてたらきっとごまかしきれなかった、よね。
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