彼と愛のレベル上げ


「プロポーズってさ。昔で言ったら俺のために味噌汁作ってくれとか、一生そばに居て欲しいとか、色々なわけよ」

「まぁそれは話では知ってます。けど。でも、その言葉を言った後に結婚して下さいってみんな言うんでしょう?」

「んなわけないじゃん。男の人だって一生に一度、まぁそう何度もない事なんだから緊張してるのよ?みんながみんなその言葉を言えるとも限らないじゃない?」

「そう、なんですか?」


だってプロポーズの定番といったらそのひと言で。

それ以外の言葉だけじゃ、結婚って結びつかないかもしれないじゃない?


「大体、私が結婚した時なんて気付いたら式の日付決まってたわよ」

「え?!」

「まぁ、流された私も私だけど、勢いで結婚しちゃったのよねー」

「勢い…ですか、」

「ま、だからバツついてるんだけどね」


あっさりと自分の過去を振り返る望亜奈さん。


「今は私の事はいいのよ、だからね?結婚してって言葉だけがプロポーズじゃないのよ?」


子供に言い聞かせるようにいうけど、

そうなのかもしれないけど、

でも、


「あぁ、もう、じれったいわね。大体さ、こんだけ溺愛されててそれでも信じられないの?主任の言葉が?」

「溺愛、って。」

「…主任ごめんなさい。私はこの鈍感娘に言わずにはいられません」

「何?言ってるんですか?望亜奈さん。」


ここにジュンさんがいるわけじゃないのに謝ってるし。

しかも鈍感娘?何の事?


「だからっ、主任から連絡貰ったのよ昨日の夜。」

「え、」

「昨日、桃ちゃんの様子がおかしかったから気にしてやってくれって」


理由は聞かないと言っていたジュンさん。

でも私の身に何かあった事だけは感じ取っていたんだ。


「まさか私も、相良さんが強行突破したとは思わなかったけどね」

「それは…、」

「二十八日まではどうしても帰れないからって。あの主任がよ?私にわざわざ連絡までして頼むって言ったのよ?信じられる?」


望亜奈さんの中ではやっぱりまだ冷徹な主任のままだからなのか“あの主任が”と強調していう。


「真実を知ったらすっ飛んで帰ってきそうだから、その辺は適当に報告しておくわよ?」

「…ありがとうございます」


やっぱりとんでもない事しちゃったんだよね私。
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