ひまわり

勇吾先輩


「起立、気をつけ、礼。」
「ありがとうございました。」

午前の授業がやっと終わった。授業のたびに指名され、当たり前のように正解し、褒められ…これの繰り返しだ。なんの意味があるというのだろう。何はともあれ急がなくては…。
お昼休みは勇吾先輩とランチの約束をしていた。

美しい笑顔を作った、それから小走りで先輩の元へ向かう。

勇吾先輩!!」
「あ!葵ちゃん!!」
「遅くなっちゃってごめんなさい。少し授業が長引いちゃって…」
「全然大丈夫だよ!ゆっくりで良かったのに…。」
「ありがとうございます!でも待たせる訳には…」
「はい!これ飲んで呼吸整えて!!」
「ありがとうございます!勇吾先輩本当に優しいですね。」
勇吾先輩とは、仲良くしている。この人はいい男を紹介してくれるし、他の男みたいに俺だけのものになれなんて言わない。だから、心地よいのだ。「じゃあまた!!」
「うん、ありがとね~」
こうしていつも通りに解散する。

午後の授業は体育がある。最悪だ。汗をかき、ベタベタになるのに、爽やかに笑っていられるわけが無い。とは言え、笑顔をやめる訳にはいかない。私は取り憑かれている。『向日 葵』そんな名前のせいだ。
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