エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「承知しております」


翔さんの汚点になるような生地はうちにはひとつもないと胸を張って言える。

不採用になるのは、デザインに合わなかっただけで、今後はまたピックアップされる可能性もある。

稲田さんの冷たい言葉には参るけど、私が峰岸織物を大切に思うように、彼女もまたブランピュールが大切なのだろう。


「本日はありがとうございました。またご連絡します」


挨拶をして社長室をあとにした。

玄関を出て振り返る。
この大きなビルは、翔さんが努力してきた証。

私も負けないように頑張ろう。

そう気合を入れ、一歩を踏み出した。



そして金曜。
十九時頃に、私はまた翔さんのマンションに向かった。

毎日電話での会話は続けていたものの、ここに来るのは一週間ぶり。


今日も夕食を準備しておくと伝えたのに、彼が連れていきたいところがあるからマンションで待っててほしいと言うので、手持ちぶさただ。

まだ慣れなくて落ち着かず、テレビをつけても集中できない。
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