エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
タクシーで向かったのは、小高い丘の上にある有名なフレンチレストランだった。

しばしばマスコミにも取り上げられ、予約は半年以上先まで埋まっていると聞く。

それなのに彼は、ためらうことなくドアを開け、私を中に入れてくれた。


「一ノ瀬さま。お待ちしておりました」


どうやら予約済みらしい。すぐに奥の部屋に案内された。


「えっ……。個室?」


真っ白なテーブルクロスのかかったテーブルと、二脚のイス。
ふたりで使うには広すぎる空間の片隅には、グランドピアノまで置かれている。


「そう。ここはいつも満員だけど、この部屋は比較的予約も取りやすい」


そんな簡単に言うけど、おそらくここはVIP専用の部屋だ。
さっき見たフロアとは、床に敷き詰められている絨毯やシャンデリアから違い、なにより……。


「素敵」


大きな窓から街の夜景を一望できる。
翔さんのマンションからも素晴らしい眺めだが、ここもまた格別だ。
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