エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「なにが? 俺は砂羽とこうして一緒にいられて幸せなんだよ。砂羽の喜ぶ顔が見られるならなんだってしたい。それにこれは、手料理のお礼。まあ、また作ってほしいという催促も含んでるけど」


彼は楽しそうに微笑む。

ロールキャベツのお礼にしては豪華すぎる。
それに、手料理くらいで喜んでもらえるなら、いつでも作るのに。


「私の料理で喜んでいただけるなら、もちろんです。翔さんのお母さまは、なにがお上手なんですか?」


何気ない質問だった。
だけど、彼の動きが一瞬止まった。


「母は、二年前に亡くなってて」
「そうだったんですか? すみません。余計なことを……」
「いや。砂羽に話すつもりだったから構わないよ。湿っぽくなるのはイヤだから、食べながら話そうか」


彼はそう言うと、お肉にスッとナイフを入れ、口に運ぶ。


「ガンだったんだ。最期は安らかに逝きたいってホスピスに入ってね。痛みをコントロールしてもらいながら、穏やかに」
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