エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「ううん。私、今まで甘えすぎてた。もちろん、仕事は一生懸命やってきたつもりだけど、お父さんの苦労を理解してなかった」


峰岸織物のブランドを守るということは、ただ商品を生産して売りさばけばいいというわけではない。
品質は高い水準に保ち、かつ他社との違いを明確にして売り込まなければならない。

手をかけている我が社の商品は、価格では他社に対抗できない。
だから、いかに品質のよさを顧客に訴えられるかが鍵を握る。

それを父がやってのけていたことを、事務をしていただけではわからなかった。


「砂羽のいいところは責任感のあるところだけど、悪いところでもあるよ?」


奈央はコーヒーを口にしてからそう言った。


「どういうこと?」
「そんなに根詰めちゃうと、続かないって。全部背負ったらダメ。砂羽がつぶれちゃう。もちろん、お父さんが亡くなって切羽詰まってるのはわかってる。でも、心配なのよ、砂羽のこと」
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