エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
火曜のその晩。
いつものように先に帰宅した私が夕食の準備をしていると、チャイムが鳴った。


「稲田さんだ……」


インターホンには稲田さんの姿が映っている。

対応すべき? 
彼女は翔さんのスケジュールくらい把握しているはずだ。

まだ会社にいるとわかっていて訪ねてくるのは、翔さんに頼まれたから? 
でも、なんの連絡も入っていないんだけど……。

いろんなことが瞬時に頭を駆け巡ったけれど、私たちが付き合っていることはもうバレているのだし、緊急事態だったら困ると思い、結局は対応した。


『ブランピュールの稲田です』
「はい。お待ちください」


すぐに鍵を解除して上がってきてもらうと、彼女は険しい顔をして立っていた。


「突然すみません。社長にデザイン画を持ってくるように言われまして、取りに伺いました」


おそらく翔さんは忙しくてメールもできない状態で、彼女に託したのだろう。
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