エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「ブランピュールの傘下に入るっていう話?」


実は、少し前からそんな話が持ち上がっている。

峰岸織物の業績はブランピュールのおかげで右肩上がりだが、やはり経営のノウハウがある人間がいないというのは痛手だ。

翔さんもアドバイスはくれるけど、自身の仕事の合間にでは負担が大きい。

傘下に入れば、ブランピュールから知識を持った人材を必要なときに派遣できるから、ということだった。

しかも、吸収合併ではなくあくまで業務提携。
屋号も残るし従業員のリストラもいらない。

それだけでなく、ブランピュール以外の会社との取引もオーケー。
我が社にとって不利益はひとつもない話だ。


「こういううまい話には気をつけないと、乗っ取りなんて事例も聞いているからね。でも、一ノ瀬さんがそんなことをするはずがない」


橋さんがきっぱり断言する。
翔さんに窮地を救ってもらっているのだから当たり前だ。
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