エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
大理石の玄関フロアはピカピカに磨かれていて、私の部屋の二倍くらいの広さはある。
いや、それ以上かも。

隣に翔さんがいなければ、逃げ帰りたいような場違い感。


「砂羽、とりあえず俺の部屋に案内するよ」
「は、はい」


なんとか取り乱さないように気をつけて返事をしたあと、彼に続いた。

「お茶をお持ちしますね」と坂井さんが離れていくと、やっと空気が肺に入ってくる。


「ふー」


思わずしてしまった深呼吸を翔さんに気づかれてしまった。


「帯、苦しい?」
「いえ、そうじゃありません」
「それじゃ、緊張か……」


私がコクンとうなずくと、「少し休憩しよう」と階段を上がってすぐの彼の部屋に入れてくれた。


「なんですか、ここ」


もうここには住んでいないのに、翔さんの部屋は整っていた。

二十畳近くはあると思われる南向きの広い部屋にはソファとテーブル。
そして峰岸家のリビングにあるものよりずっと大型のテレビ。
さらには片隅には勉強机と大きな本棚。
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