赤ずきんと狼王子
「引換券をもらいにいきましょ! 善は急げよ!」
「ま、待って……緊張で足がもつれて」
「待たないー! 待てないわ!」
当てた当のローラより、マルグリットのほうが興奮していた。
一日デート引換券は、お城の専用窓口で配布されている。
門番にお城を訪ねた旨と肖像画、そして新聞とを見せると、
「おお、やったな! がんばれよ!」
と、エールをもらった。
無事に通してもらい、専用窓口の係のお姉さんに、門番とおなじ手順でここに来た理由を伝える。
係のお姉さんもわがことのように喜んでくれ、
「はい! これが引換券ですよ。これを持って、今日の午後六時に『ルイーズ橋』の真ん中で待っていてくださいね。そこにユリウス王子が来ますから」
と伝えてくれた。
「ただし、このことは決して他言しないこと。野次馬が来たりしたら、雰囲気が台無しですからね。これは殿下が決めたご意向でもありますから、必ず守ってくださいね」
「わかりました!」
ローラとマルグリットは、同時にうなずいた。
係のお姉さんは、さらに続けた。
「もうひとつ。デートに着ていく服装に自信がない女性には、特別にコーディネートしてもらえます。ユリウス王子に恥じないためにも、遠慮は無用よ。どう? お姫さまみたいにしてもらえますよ」
「ま、待って……緊張で足がもつれて」
「待たないー! 待てないわ!」
当てた当のローラより、マルグリットのほうが興奮していた。
一日デート引換券は、お城の専用窓口で配布されている。
門番にお城を訪ねた旨と肖像画、そして新聞とを見せると、
「おお、やったな! がんばれよ!」
と、エールをもらった。
無事に通してもらい、専用窓口の係のお姉さんに、門番とおなじ手順でここに来た理由を伝える。
係のお姉さんもわがことのように喜んでくれ、
「はい! これが引換券ですよ。これを持って、今日の午後六時に『ルイーズ橋』の真ん中で待っていてくださいね。そこにユリウス王子が来ますから」
と伝えてくれた。
「ただし、このことは決して他言しないこと。野次馬が来たりしたら、雰囲気が台無しですからね。これは殿下が決めたご意向でもありますから、必ず守ってくださいね」
「わかりました!」
ローラとマルグリットは、同時にうなずいた。
係のお姉さんは、さらに続けた。
「もうひとつ。デートに着ていく服装に自信がない女性には、特別にコーディネートしてもらえます。ユリウス王子に恥じないためにも、遠慮は無用よ。どう? お姫さまみたいにしてもらえますよ」