【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
梅雨明け、目を細めるほどの太陽の輝きの活躍といったら。旬の芸能人にも負けてない。
ミア先輩の住んでるマンションで、雨宿りしたあの日から土日を挟んで3日が経つ。
返せていないミア先輩のTシャツを、洗って可愛い袋に入れ、抱き締めるような形で持って。
長い廊下を行ったり来たりを繰り返しながら、先輩を探してるけど。
こんな時に限って現れないミア先輩。
いつもはストーカーみたいに、いつの間にか私の後ろを歩いてるくせに……。
「ん?小波なら多分、プール掃除させられてるんじゃないかな?」
勇気を振り絞ってミア先輩のクラスに行って、クラスメイトに聞いてみた。
女の先輩に話しかけるほどの勇気はないから。
男の人に聞いてみたら、すんなり答えてくれた。
なんて……いい人なんだろう。
「えっ、なんでミア先輩がプール掃除しなきゃいけないんですか?」
「小波、朝弱くてさ。結構遅刻が多いから
罰としてプール掃除任されてたよ、担任に」
「えぇー、可哀想な先輩」
思ってないけど。