明るい不倫
「店長・・。あの・・。」

恵子は、部屋に入るカードキーに手をかけた男に言った。

「ん?」

「さっきの・・。」

カードキーが反応して、扉がスッと開いた。

「ああ、旦那さん?」

まさしく言い当てられて、恵子は唇をかんだ。

「そうです。」

「気にしてないよ。それとも、恵子さんは気が引けちゃった?」

後ろ手にドアが閉まり、壁に押し付けられた恵子は、ううんと首を振って言った。

「まさか・・。」

「じゃあ、良かった。」

そう言って微笑んだ。

「店長・・。」

「翔、だよ。2人きりの時は店長は禁止。」

そう言って顔を近づける。

恵子は赤くなり、目を瞑った。
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