明るい不倫
「そうです。」

徹は力強く答えて、美也の体を引き寄せた。

「けど、離婚はお互いにデメリットが大きい。会社にも世間にも、僕らの仕事場にも、ね?」

「・・ええ、そうね。」

恵子は答えて、そうかーと思い至った。

「このままの関係を続けるってこと・・ね?」

「そう、不倫は秘密じゃないといけないってことはないでしょう。」

とんでもない提案をしている自覚はあるんだろうか・・

そう思いながら、徹は翔と恵子の顔を見やった。

「表面上はこのまま夫婦を続ければいい。だけど、もうお互いに僕らのことを秘密にする必要はないんです。どうです?すごく理想的じゃないですか?」

・・

翔以外の3人が、みな、一様に顔を見合わせていた。

とんでもない提案だ。

不倫を続ける?

夫婦でいながら、彼氏と彼女がいて・・それを隠さない??

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