【短】それがこの世の境界線。
超えてはいけない境界線。
目が覚めた。

けれども、視界は遮られているのか真っ暗な世界。


あれっ?

ここはどこ?

私、どうしたんだっけ?


目覚めたばかりで、働いていない頭を動かす。


いつまでもベッドに横になっているのはダメだから、起き上がろうとした。


だけど、


──カチャリ


嫌な音が私の耳に届いた。


……えっ?

腕が動かない。

いや、動くには動くのだけれど、ナニカに腕が繋がられていて動きが制限されている。

そのナニカは私の予想が正しければ、『手錠』。


どういう、こと?

さすがの私も目がはっきりと覚めた。

そして思い出す。



昨日、私は誘拐されたんだって。


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