空に消える想い〜いつだって君をそばに感じてる〜
15分程経って、辺りが落ち着くと、お医者

さんたちは俯いて病室の前に並んだ。

どうして…。望夢…?

私はただ最悪の状況を想像して涙がすっと流

れた。震える足を病室にゆっくり運んだ。

パァァァァン!!

病室の前に行くと、何かが弾けたような音が

して、目を開けるとそこにはカラフルな世界

が広がっていた。

「望夢…?」

私が名前を呼ぶと、いつもと同じ太陽みたい

な笑顔で、ゆっくり私の元に歩み寄る。治療

の副作用で顔色も悪く、体も前より細くなっ

て、絶対辛いはずなのに。苦しいはずなの

に…。そういえば今日…。

「つぼみ、誕生日おめでとう。」

お祝いの言葉と共に、望夢は手にもっている

ものをくれた。
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