婚姻届と不埒な同棲
「今すぐ錦織に連絡をして、縁談の話はなかったことに」

「かしこまりました」

「マスコミに嗅ぎ付かれるなんて、甘いのよ」

まるで、マスコミに知られなきゃ良いというような言い方。

「違いますよ。

マスコミが嗅ぎ付けた訳でも、運が悪かった訳でもないんです。

匿名で情報提供したの、僕ですから」

「何ですって」

え?
そんなこと、拓斗くんにできるの?

「ところで高垣さんの会社、すでに錦織グループと事業のための準備を進めていますよね?
何でしたら、そちらの情報もリークしてさしあげましょうか。
もっと大きな騒ぎになるかもしれませんね」

「何を勝手なことを」

「それが困るなら、萩花を返してください。
そして、2度と関わらないでください」

拓斗くんからは、一歩も引く気がない強い姿勢がはっきりと見える。

さすがに祖母も、錦織グループとの繋がりを暴露されてはたまらないだろう。

「さっさと行きなさい。
あなた達との関わりなんか、こちらから願い下げです」

この期に及んでよくもそんな言い方ができるもんだ。
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