婚姻届と不埒な同棲
「…わかった」

この先どうなるのかなんてわからないけど、今のところはそう返事をした。

今まで、拓斗くんのことを恋愛対象として見たことはなかった。
それもそのはず。
御曹司とメイドの関係以上なんて、考えられなかったんだもん。

弟くらいに思ったことはあったかな…。

結婚なんてものも、まだまだ先のことだと考えてた。

ただ、今のこの滅茶苦茶な状況をそんなに嫌がってない私がいるのも事実。

はぁ。自分の心がわからない。

ここでの暮らしといい、ドイツでの仕事といい、心配事はいくつもある。


けど、取り敢えず今は、寝よう。

いろいろあって、今日は疲れ果てたから。
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