からすのおんがえし
からすのおんがえし
いたい。やめて。
うったえてもことばがつうじない。
にんげんはぼくをなぐって、ける。
なんで。なんでぼくをいたくするの?
やめて、やめてよ。
「やめ…いよ!!」
だれ…?あぁ、ぼくをいたくするにんげんなのかな
あれ?にんげんがいなくなった
「だいじょ…?…おしてあ……ね」
だいじょうぶ?なおしてあげる?
そういってるの?
いたいのはやだ。かんじゃうよ。いますぐやめないとかんじゃうよ。
がぶっとかんだ。それでもにんげんはぬのをあてようとしてる。
いたい。けど、ちょっとじんじんしてるのおさまった。
さっきのにんげんとはちがってこのにんげんきらきらしてる。
たすけてくれたの?
「よくがんばったね」
そういわれたきがしてなんだかあったかくなった
ねむいな。ねむ…


どこだろうここ
おへやかな?あのおんなのこの?あれ、きずいたくない
たすけてくれたんだ
あのにんげんはやさしい。だからあのにんげんにつくそう
ぼくがしぬまでついていくね
がちゃ、ととびらがあいた。
あのにんげんだ。
たすけてくれてありがとう
「お礼なんていいよ」
ことばがつうじてる?やった
このにんげんとはなせるぞ
でもまだわからない。もっとべんきょうしよう。

数年後
あの子に助けられて数年。
僕も沢山言葉を覚えて、人間の言っていることが分かるようになってきた。
でも僕の寿命はあと数年だろうな。
あの子は中学生になってもうすぐ受験らしい。
あの子はあんまり遊んでくれなくなった。
成長したから。
ちょっぴり、悲しい。
でも、あの子を守れるなら。
僕はなんだってするさ。
あの子にどんなことされても、嫌がられても。
絶対にまもってみせる。
たとえ僕が死んでも。
あの子のためなら死ねるさ。
そしてあの子は学校に行く。
いつもどうり、ついて行く。
「ねぇ、いつまでついてくるのよ?」
いつまでも。どんなことがあろうとついていくよ。
「はぁ。もういいよ。」
ねぇ、まって。車来てるよ。
「煩いって!!」
っ危ない!!
「うるさ…っ?!」
キキー!ドンッ!!
いたいいたいいたいいたいいたいいたい
「ね、ぇ。ちょっと…なんで…」
いったでしょきみをまもるって
ねぇ。なかないで
「注意してくれたのに…私…ごめんね…ごめん。」
だいじょうぶだから。ぼくはだいじょうぶ。
「お願い…死なないで…お願いだからぁ!」
……みかちゃん
「え…?っ何?!」
……あいしてる
「っう、わあぁぁああ!!!くろちゃ、あぁあぁ!!」
みかちゃん。みかちゃん。あいしてる。これはこいだったんだ。だいすき。むねがいたい。わかれたくないよ。しにたく、ないなぁ。でもさいごにことばがつうじてうれしかったな。
さようなら、みかちゃん。
ぼくが、ゆいいつあいしたにんげん。
さようなら。ありがとう。
ぼくがあいしたひと。
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