20代最後の夜は、あなたと
社内恋愛しなきゃよかった
週明け月曜日。


朝礼で霧島課長は水曜まで出張です、という業務連絡を聞いて、ホッとしている自分がいた。


伊勢くんは後ろにいたから、表情は見えなかったけど。


デスクに戻ったら、心配そうに私の顔を見てる伊勢くんと目が合った。


「大丈夫だよ」と小声で言うと、


「そうは見えないけどな」


伊勢くんは冷静に言い、仕事を始めた。


電話が鳴る音、パソコンのキーボードを叩く音。


私も仕事に集中して、あっという間にお昼になった。


奈緒は今日遅番だから、一緒にランチ行けないんだよな。


女性の先輩と行こうかな、とフロアのホワイトボードを見たら、先輩はお昼前に外出してて15時戻りになっていた。


そういえば、そんなこと言ってた気がする。


一人でランチか・・・コンビニ行こう、と財布を持ったら、


「宮本、たまには昼メシ行くか?」


伊勢くんが誘ってくれた。


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