20代最後の夜は、あなたと
「川島がさ、私の後輩にいちいち報告してくんのよ。


隙があれば、紗和から伊勢くんを奪おうってのがミエミエなのよ、ほんと腹立つ」


川島さん、フロアでそんなことまで見てるんだ。


女の嫉妬って、怖い。


「まあ、奈緒が怒るとこじゃないでしょ」


「なに呑気なこと言ってんのよ。


無意識の行動って、たいてい本当の気持ちのあらわれなんじゃないの?


川島があんまりしつこいから、私も気になって何度かこっそり紗和のフロアに行ったら」


「えーっ、いつの間に?」


「部長に呼ばれることがあって、そのついでに3回くらいかな」


「一声かけてくれればいいのに・・・」


「それじゃ意味ないでしょ。


で、結論からいうと、霧島課長も紗和も、お互いのことを一番気にしてた」


「そんなことないって!」


近くに座っていた人がこっちを見るほど、大声を出してしまった。


「奈緒ごめん、大きな声なんか出して」


「いいけど。


とにかく、課長は紗和が伊勢くんと話してる時とか、電話してる時とか、紗和が課長を気にしてない時に、悲しそうな顔して見てた」


< 165 / 197 >

この作品をシェア

pagetop