空になりたい。
「よし。これで水着も買えたし!空くんとの海デート楽しむんだよ!」

「うん…!」

「私は今年誰とうみ行こっかなー。」

「え?あの先輩は?」

彩香、先輩とつきあってたよね?

「昨日…別れちゃった。」

あはっと彩香は笑った。

「話聞いて欲しくてそれでひなたを遊びに誘ったの。」

「そう…だったんだ…」

「私、先輩の前だと普段通りにできなくて。それで先輩に私といてもつまんない。っていわれちゃった。はは」

彩香は悲しそうな顔をしていた。

彩香。先輩のこと大好きだったのに…


「私、どうしたらよかったんだろーなー」

「…」

「まあこんな後悔しても意味無いんだけどさ…気持ち入れ替えて新しい恋みつけなきゃだなー」

「後悔だってしてもいいんだよ!それほど先輩が好きだったってことでしょ?それでいいじゃん!」

「ひなた…」

そう。後悔するほど彩香は先輩が大好きだったんだ。

先輩を楽しませようと必死だったんだよね。


「彩香はがんばったよ!それをわかってくれない…先輩が悪い!」

「ひなた…ありがとう…」

彩香が泣きながら私に抱きついてきた。

「あやか…」

私は、よしよし。と彩香の頭をなでた。




< 52 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop