満月の扉



「そういえば…」


ふと思い出した。


そういえば…おばあちゃん…いつも妙なこと言ってたな…。


おばあちゃんが今も言ってた。


小さい俺に、夜空を見つめる俺に。


『陽平。よく聞きなさい。…………だから………。』

ノイズがかかったようにぽっかりあいたこの言葉。


何回思い出してもノイズが強くなるばっかで…。


でもわかるのは…


俺はこの事をあまり信じていなかったということ。


だって俺はおばあちゃんっこだし。


だいたいはおばあちゃんの言うこと信じてた。


まぁ親友だったしね?


なのになんでか信じてない…。


これも疑問だ。


俺物覚えいいはずなのになぁ。


う〜ん…。


強く考えるとよけいノイズが強くなる。


おばあちゃんは俺に何を言いたかったんだ……?


次に見た満月はまた優しそうに微笑んでいた。




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