Lingerie
「あら、ミモリじゃない、」
そんなイズミの高らかで歓迎的な声に、自分の中でも覚えの強い名前に無反応でいられるはずもなく。
描きかけのデザイン画から視線と意識を動かせば捉えたのはどことなく孤立感を覚える女。
何でだろうな。
その容姿は整っているのに愛想を感じず近寄りがたくて、ニコニコと対応するイズミに一度たりとも表情や声音を変えたりしない。
一応イズミとは親しい関係であるのだろう。
それなのに余計な会話をするでもなく仕事に集中を注いで言葉を弾く姿は俺的には好感。
しゃんと伸びた背筋のラインが綺麗だな。
顎の下から首筋を通って鎖骨までのラインも。
鎖骨から胸への曲線も………。
……って……あれ?
ちょっと待て……。
ストライク……じゃね?
ちょっと待て、真面目に待て…。
何で俺が理想とする体をお前が持ってるんだよ。
どんな自分勝手な言い分だ。
しかも、セクハラもいいとこ。
気が付いてしまった彼女の魅力に向けていた視線が外せなくなって、顔の造りの美しさよりも体の曲線の美しさに惹かれた。
2番目に惚れたのは…彼女の体だった。