Lingerie
傍から見ていたら自分はどれだけ気味の悪い男であったのか。
俺自身の容姿を語れば決してイズミに引けを取らない整った容姿であると思う。
生まれついたものである黒と水色のオッドアイなんかは嫌でも人目を引くほどだ。
俺は多分…割と人間嫌いな性質なのだと思う。
必要以上に近づいてほしくない、絡んでほしくない、こんな自分の成果でもない遺伝子の結果の上っ面に群がってくる奴らはもっと嫌いだ。
見た目に惹かれて勝手に群がって、俺の本質を知れば勝手に嫌って去っていく。
そういう厄介さを遠ざけるように、いつからか人に避けられる姿へと変貌していった。
髪型というのはその人間の印象を大きく変えて見せる効果があるらしい。
単純に人目を引く双眸を前髪で覆いつくしてしまえばそれだけで俺の印象は『最悪』で近寄りがたい空気を作りあげたらしい。
視野は狭くなったけれど自分の余裕は広がったと気が楽になったのを覚えている。
そんな見た目からどこか交流を避けたくなるような俺が微動だにせずただ一人の女を見つめている。
そんな自分に我に返ったのは見つめていた存在の視線が不意にバチリと自分のモノに絡んだから。