Lingerie~after story~
それにしてもだ。
口調はいつものおネエであるのに、相変わらず女子力高い美人であるのに…。
どうあってもあの日から男だという意識が先回って私のフィルターを覆う。
そこにつけてこの男前な足技、視線……。
あ、溶けそう……。
同時に浮上した艶めかしい記憶には抑制不可能な熱が込み上げ限界だと自分の体を壁に対面させてピットリとくっついてしまった。
どう見ても奇怪な行動で不自然で、
「あんた何してんの?」
「ミツメナイデ。溶ケソウデス……」
もうね、本当に心臓もバックバクでホラーチックに飛び散るんじゃないかってくらいなのよ。
だって、なんだかんだあの日からこんな風に対面しちゃうような場面を避けて来ていた数日で、対面してしまえば今まで通りなんて不可能な私のこういう状態が予測できたわけで。
それでも、やはりイズミの反応も気になると、そっとチラ見で背後に視線を動かせば、
「っ…!!?」
「あんたって本当に分かりやすい子よねぇ」
本当、声にならない大絶叫だ。
振り返った顔の位置の至近距離、待ちかまえていたように寄っていたイズミの綺麗な顔が意地悪く笑って小馬鹿にするような言葉を弾く。
ああ、今日もまた至近距離で捉える肌はすべすべと綺麗で唇はささくれなく艶々と……、
唇……。
「っ~~~」
「やだ、エッロ」
「っ___!!?」
「そーんな顔真っ赤にして涙目で一体何を思いだして悶えてるのかしらね?」
っ~~分かってての質問だって分かってるんだぞこのエセおネエ!!